「資産1億円。30代でFIRE(早期リタイア)。」
そんな文字だけを見れば、きっと誰もが「勝ち組の余裕」を想像するはずです。でも、2026年3月、5年勤めた大手SIerの最終出社日を前にした僕の心は、情けないほどに揺れていました。
「本当にこれでいいのか?」「せっかく積み上げたものを捨てて後悔しないか?」
銀行残高の数字は十分なはずなのに、最後の一歩を踏み出す時、僕の手は震えていました。
今回は、凡人サラリーマンだった僕が、1億円という武器を手にしてもなお、退職を即決できなかった「2つのリアルな理由」と、それをどう乗り越えたのかをお話しします。これは、未来の息子たちへ贈る、パパの人生最大の決断の記録です。
【理由1】15年かけて築いた「JTCの椅子」を捨てる恐怖
IT業界とはいえ、僕がいたのはゴリゴリの年功序列が残る「伝統的な日本企業(JTC)」。15年かけて積み上げたのは、スキルだけじゃありません。「長くいるだけで給料が上がる」という、甘くて強固な”身分の切符”でした。
今までの社会人人生をかけて積み上げたこの身分を捨てることに、凡人の僕が戸惑うのも無理はないことでした。明らかに優秀な人が転職や独立をささっと実行してしまうのは、本当にすごいことだと当事者になって改めて実感しました。
「会社員」という鎧を脱いでも不安にならなかったのは、会社外で得られた「金融リテラシー」と「支出管理スキル」という目に見えない財産があったからです。
改めて資産運用をシミュレーションし、暴落期間も乗り越えられることを再確認。「自由には責任が伴う。でも、その責任を引き受ける準備はできている」。そう思えた時、戸惑いは確信に変わりました。
【理由2】最愛の妻との大喧嘩、そして「世間体」という壁
一番の味方だと思っていた妻。投資のことは知っていたはずなのに、「本当に辞める」と伝えた瞬間、待っていたのは祝福ではなく激しい拒絶でした。「30代で無職(主夫)になる」という選択は、彼女にとって未知の恐怖だったんです。
リタイアを伝えた日は、久しぶりの大喧嘩。結局、納得してもらうまで半年かかりました。さらに正月の帰省では、親戚から「男が働かないなんて」と猛反対の嵐。世間の「普通」という物差しが、これほどまでに鋭く自分を突き刺すとは思いませんでした。
妻には、5年分の家計簿実績に基づいた「超・保守的なキャッシュフロー表」を提示しました。
- 資産1億からの投資収入:月25万円(税引後) ※堅実に年利3%を想定
- 夫婦の労働収入:月20万円
- 生活費:月35万円(基礎生活費20万。娯楽費15万を含む調整弁あり)
- 生活防衛資金:360万円(現金キープ。暴落リスク対策)
この数字を見せて、さらに「もっと息子たちと過ごす時間を作りたいんだ」という本音をぶつけました。ちなみに、母や祖母の説得は……あきらめました(笑)。全員を説得しなくていい。一番大切な家族さえ分かってくれればいいと割り切ったんです。
【まとめ】自分が正しいと思った方へ進んでみる
結局、僕が退職を決意できたのは「1億円」という数字があったからではありません。
身分や世間体という「他人の物差し」を捨てて、「自分たちがどう生きたいか」という自分軸を優先したかったからです。
周りと違う道を選ぶことには、当然、大きな自己責任が伴います。
「やっぱり会社にいればよかった」と後悔する日が来るかもしれない。でも、誰かに決められた正解を生きるより、自分で選んだ不器用な正解を育てるほうが、僕にとっては価値がありました。
もし、将来このブログを読んでいる君たちが、人生の大きな決断に迷っていたら、これだけは覚えておいて。
「周りの声ではなく、自分の価値観を信じて選ぶこと。そして、その選択に責任を持つ強さを忘れないでほしい。」
パパも今、不安はあるけれど、この「自分で選んだ道」を君たちと一緒に最高に楽しい正解にしていくつもりだよ。


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